突然の珍客

おととい夜10:00過ぎ、部屋でギター弾き想いのたけ?をぶちまけていた時、

「ワンワンワン!」

突然マサムネがけたたましく吼える。

(ん?!こんな時間に人なんか来るはずもなし!?)

いぶかしく思う間もなく、トントントンと階段を上がってくる音!

(え?!だ、誰やねん!?ノースプロのアーティストかなあ・・・)

とギターを置いて振り向くとドアの向こうに人影!


急いでドアを開けると、そこには全然見たこともない若い男が立っていた!

「え・・・な、何ですか?」

「すいません、この辺車通らないですかね?下の砂浜でキャンプしてウトウトしてたらいつの間にか潮がすぐそこまで満ちてきてて、びっくりして避難したんですが・・・」

「ああ、そう、1人?今たぶん大潮だしね、一番上まで満ちるからあそこじゃテント張れないよ。なんならウチの母屋で寝ていったらいいよ。」


ということで、小1時間ばかり話をしましたら、

人生に行き詰ってリフレッシュというかリセットのために

自然の中で1人で星空でも見ながらキャンプをしようと考えて来たらしい。


大阪在住でたまたま知り合った人が北木島外浅海(そとあざみ)出身の人でその人にここの砂浜を教えてもらったと言う。


31歳。働き盛りの青年。

自分のやりたいことが一般的な生業とは違う言わば趣味の延長のようなもので、

先が見えない、

でもやりたい・・・

それをやらず普通の職業について普通に生きるという選択はないと自分の中では分かっているのに・・・

踏み出せない。

半歩踏み出してはそこから逃げる。

その繰り返しで逃げ回って


今ウチ「島のSARAI」のある外浅海ビーチにたどりついた。


そしてまた満潮という自然現象から逃げまどう・・・

皮肉なものだ。


誰しもそんな時はあるものだ。

しかしそういう迷いがないのは嘘の人生だろう。

迷って決断して切り開いて進んでゆく。

それは自分1人でやるしかない。

逃げずに生死を越えて一歩踏み出せば見えなかった先に一筋の光が見えてくる。

その光に従い進む自分の姿を見て、応援したいと思う人や必要な物事が次々と現れてくる。


現代社会に迷う人(特に若者)の癒しと覚醒の場にしたい。」

これが「島のSARAI」を創った最初からの思い。

それがいきなり珍妙な出来事によって現実となったように感じた。


朝、フェリーで出かけるついでに車にその青年を乗せて港で降ろした。

別れ際の彼はいまだ不安そうな表情であったが、

バックパックを背負って朝日を浴び遠く海を見つめる姿は、

在りし日の自分を見るようで、

きっと道は開けると

祈りが心に響いた。

f:id:sarai-kitagiisland:20140926060620j:plain