島米~自然と共に~
脱穀しました、ようやく昨日。
稲を刈ったのはもう随分前です。
機械も道具もないので、ググってコップを使って一本一本籾をこさぐ方法を採用しました。
どうせたいした量でもないしすぐ終わるだろう、ってなもんです。
コップの縁を使って稲穂から籾をはずすそのブチブチ感はなんとも言えぬノスタルジックな快感を伴うものであります。それは例えればかさぶたをはがすときのような。
しかし、その快感も3時間もすれば倦怠に変わってくるのは悲しいかな現代人であるためかそういう性質であるためか・・・。しかしまたこのような時を過ごせるのは島ならでは、いや島のSARAIならではじゃないかと思えば、ぐっとせつなさもこみあげようってものです。
この充実した3時間は1017gという籾米を生産するに及んだわけでありますが、問題はこれをもみすりして玄米にしなければならんわけです。これにまた機械も道具もないわけでありますから、ちょいとググって、すり鉢でしごきまくるという手法を採用しました。
まあ半分くらいは種籾としてそのままで取り置いてもよいわけです。
とはいえ、手間のかかりそうなことでありますからせめて味見分の1合くらいは玄米化したい!
ということで、とりかかったわけですがいっぺんに1合分をもみすりするのは大変ですので、小分けにしてやるわけです。
玄米1合分は大体150g。
それを引き出すには大体その倍の300gの種籾が必要なわけです。
でもって一回にすり鉢ですれるのはせいぜい70g程度の種籾です。すり易さという意味です。
結果的に、一合150gの玄米を生み出すのにもみすりにかかった時間は2時間であります!
なにせ摺るだけじゃなくもみ殻を吹き飛ばしたり、くず米などを仕分けするという細かい作業があるわけです。
そして実際使った籾は215g。約7割が玄米として取れたわけですが、もっとちゃんとくず米とか取れば6割くらいかもしれませんね。
総合的にこの原始的手法でやった場合に限ってですが、
1合の玄米を得るのに、刈った稲穂の状態から5時間かかったわけです!
その前段階を合わせると途方もなく貴重な1合の玄米と感じてしまうわけです!
そしてまたこれだけ手をかけるとあたかも芸術品のようにも見えてくるわけです!
こうして長々と書かせていただいたのも、普段何気なく食べているごはん、お米が実はとんでもなく手間のかかる貴重品であるということを体験として分からせていただいたので、それを少しお伝えしてみたかっただけです。
今やお米もほとんど機械化され今回のような手間など嘘みたいに簡単に大量生産できてしまうわけですから、貴重だとかありがたいとかさしせまった感慨というのは持てなくて当然だと思います。
かく言う私も次にお米を作るならなるべく便利な機械を使ってできたらなあ、と思う始末です。
ところで、肝心のお味は?!
本日その貴重な1合の島玄米をいただきました。
これが、普通に美味い!以前、玄米を買って食べていましたが、その玄米となんら変わらない!
むしろ最初から最後まで関わってるだけに味以上のものを感じるし、
身土不二の生気を身体が喜んでいる感じで、食べ物の何たるか!?を体感させられたような感じです。
さらに本日の夕食のおかずが今朝いただいた釣りたて新鮮なアナゴのフライ、北木島産ヒジキと北木島産大根を真鍋島産のスダチを使って味付けしたサラダ風のもの、でありまして、これがまた最高に美味い!アナゴは脂がのってプリプリ、ヒジキはコリコリ、高級料亭以上の贅沢を感じます!
これら全部ただ。ただほどありがたいものはない。