Deep underground paradise ~未来に蒔く種~

人の数だけ天地がある。


様々な鳥の鳴き声しか聞こえない静かな畑でひとり野良仕事をしていると、

時代錯誤、あるいは隠遁生活、はたまた時代に反逆するアナーキー的爽快感・・・

みたいなものを感じると同時に、

天地に我1人というふつふつと湧く歓喜にも気づく。


「ホ~~ホケキョ♪」


ウグイスの声に耳を澄ませば、ウグイスらしからぬお座敷小唄のような音階が聞こえる。

よく聞けば気持ちよく畑仕事をしているおっさんのご機嫌な口笛であった。


こんなのどかな光景こそお金以上の価値がある。

 

一面の緑、青い海、青い空、満天の星、鳥の声、波の音、風の音、ヤギの声・・・


五感に触れるものすべてが自然であると、


人といふのは自然に人本来の野性を取り戻すようである。


おまけに定まった収入もないのに、

いざとなれば何かしら収入になる案件が降って湧いてくる、

というはなはだ現実離れしたメルヘンな境遇に至ると、


夢が幻想なのか、現実が幻想なのか・・・


という疑問など通り越して、


世の中の一喜一憂などすべて砂上の楼閣、蜃気楼のように見えてくる。


しまいにはあれこれ頭で考えることさえナンセンスに思えてくる。

 

結局人生は幻、同じ幻を生きるなら夢を現実に生きたほうがいいに決まってる。


という解答が導き出される。

 


島で今年になって借りた畑は全部合わせると一反半くらいはあるだろうか。

それらが5か所ほどに散在する。

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↑昨年に引き続き米(陸稲)を蒔いた。

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↑新たに借りた畑。米を蒔いた。

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↑新たに借りた畑。米を蒔いた。

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↑新たに借りた畑。ゴマを蒔いた。さつまいもも植える。

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↑新たに借りた畑。ササゲを植えた。ゴマを蒔いた。キビ、アワを蒔く予定。

 


ウチの畑も2か所合わせれば一反くらいはあるだろうから、

全部で2反半。


これらの畑の一部に昨年採れた米を種籾にして植えた。

うまく育てば昨年の約3倍(といっても3升ほど)は収穫できるはずである。

 

あれもこれもやりながらこれら散在する畑の世話もするのは、

正直大変ではあるが

今年は今までに増していろいろ作ってみたいという欲求がある。

そんなタイミングで畑を貸してくださる方が出てきた。


高齢で畑をやめる方が増えている。


人口が毎年30~40人減少し、高齢化率70歳以上という少子高齢過疎化の進む北木島で、

今後耕作放棄地は増える一方である。


荒れ地になるのは放っておけばすぐになる。

荒れ地を元の畑に戻すのは労力が余計に必要だ。


畑をやめるから代わりに使ってくれ、と言われればなるべくなんとかしたいと思う。

おいしい野菜がたくさん作られていた畑がただほったらかしの荒れ地になるのは見るに忍びない。


なんとかしたいが、1人ではやはり限界がある。

 

Deep underground paradiseの創造を目論む人は結構世の中にいると思う。

そのうちの1人でも2人でも北木島に来て

さびれゆく過疎の波の防波堤となり、

新次元への橋頭保を築こうという志を華やかに咲かせる舞台にしてもらえたら、

ここが宝島であることを世に示すことにもなるだろう。